みずあおい (水葵) 

学名  Monochoria korsakowii
日本名  ミズアオイ
科名(日本名)  ミズアオイ科
  日本語別名  ナギ(奈宜・奈伎)、ミズナギ
漢名  雨久花(ウキュウカ, yŭjiŭhuā)
科名(漢名)  雨久花(ウキュウカ, yŭjiŭhuā)科
  漢語別名  水白菜
英名  Monochoria
2007/07/19 森林公園

 ミズアオイ科 Pontederiaceae(雨久花 yŭjiŭhuā 科)には、次のような属がある。

  ホテイアオイ属 Eichhornia(鳳眼蓮屬)

  アメリカコナギ属 Heteranthera 
アフリカ・アメリカの熱帯に10種
    アメリカコナギ H. limosa
南北アメリカ原産、岡山・福岡に帰化

  ミズアオイ属 Monochoria(雨久花屬)

  Pontederia(梭魚草屬) 
   
 ミズアオイ属 Monochoria(雨久花 yŭjiŭhuā 屬)には、アジア・アフリカ・オーストラリアの熱帯~温帯に約8種がある。

  M. hastata (箭葉雨久花・山芋)
『中国本草図録』Ⅴ/2403
  ミズアオイ
(ナギ) M. korsakowii(雨久花)
         
『中国本草図録』Ⅴ/2404・『中国雑草原色図鑑』349
  コナギ M. vaginalis(鴨舌草・水錦葵・水玉簪・肥菜・合菜)
         
『中国本草図録』Ⅹ/4927・『中国雑草原色図鑑』349
    ホソバコナギ var. amgustifolia
    コナギ var. plantaginea(M.plantaginea;窄葉鴨舌草)
    var. pauciflora (M.pauciflora;少花鴨舌草) 
   
 和名ミズアオイは、葉がカンアオイの仲間に似ていることから。
 別名ナギ・ミズナギは、一説に 葉がナギに似ていることから、一説に 葉を食用にしたので菜葱から。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)菜、一名水葱に、「和名奈岐」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』15(1806)蔛草の条に、「ミヅアフヒト云、一名ナギ トハギゝヤウ タイモガラ
豊前 カハイモジ紀州」と。
 漢名蔛(コク,hú)というものは、『唐本草』に略々「葉はまるく、澤瀉(オモダカ)に似て小さく、花は青白く、食える」とあるもの、コナギ或はその類品であろうという(『新註校定 國譯本草綱目』VI 452頭注)。  
 北海道・本州・四国・九州・朝鮮・華北・陝西・山東・安徽・江蘇・東北・ウスリーに分布。
 花期は7-9月。
 全国では絶滅危惧Ⅱ類(VU)、東京では絶滅、埼玉では絶滅危惧ⅠB類(EN)。
 中国では、地上部の全草を薬用にする。 『全國中草藥匯編』上 pp.354-355
 日本では、むかしこの葉を食用とするために栽培し、青紫色の花びらで花摺り染めにした。
 『万葉集』に、

   春霞 春日の里の 殖子水葱
(うゑこなぎ) 苗なりといひし え(枝)は指しにけむ
      
(3/407,大伴駿河麿、坂上二嬢を娉ふ歌)
   かみつけぬ
(上毛野) 伊香保のぬま(沼)に う(植)ゑこなぎ
      かくこ
(恋)ひむとや たね(種)もと(求)めけむ (14/3415,読人知らず)
   なはしろ
(苗代)の こなぎ(子水葱)がはな(花)を きぬ(衣)にす(摺)
      な
(馴)るるまにまに あぜ(何)かかな(愛)しけ (14/3576,読人知らず)
   醤酢(ひしおす)に 蒜(ひる)つき合(か)てて 鯛願う
       吾にな見せそ 水葱の煮物(あつもの)
        (16/3829,長忌寸意吉麻呂,「酢・醤・蒜・鯛・水葱を詠む歌」。
            またこれは、酢の物(二杯酢)料理の初見)

とある。なぎ(ミズアオイ)とこなぎ(コナギ)を歌い分けているようだが、当時厳密に区別されていたかどうかは疑問という(松田修)

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